ポートフォリオランキング

プロジェクトポートフォリオ管理の最大の難関は、どうやってプロジェクトのランクを決めるか — つまり、すぐに実行するプロジェクト、後で実行するプロジェクト、(一番重要な)実行しないプロジェクトを決めることです。プロジェクトポートフォリオのランク付け方法は、いくつかあります。特定の状況に有効な方法でも、別の状況では役立たないこともあります。とはいえ、どの方法も目的は同じです — ランク付けされたプロジェクトリストを作成することです。

最初の疑問 – そのプロジェクトを実行すべきかどうか?

スポンサーもカスタマーもおらず、特に明確な価値もないプロジェクトなら、あきらめたほうが賢明です。

プロジェクトを実行しないことを恐れてはいけません。プロジェクトポートフォリオ管理とは、技術スタッフが企業にとって最重要のプロジェクトだけに専心できるよう選択を行うことです。プロジェクト実行に説得力のある説明ができないのなら、継続を決断する前に、そのプロジェクトはパイプラインに戻すべきです。

“このプロジェクトを実行すべきだろうか”という疑問に“yes”と答えられてから、プロジェクトのランク付けに取り掛かるべきです。ランキングには、スポンサー、カスタマーあるいはカスタマーの代理人と話し合う必要があります。プロジェクトの価値の説明も作成しなければなりません。

ポイントによるランキング – スコア

プロジェクトの価値とは、企業にとってのそのプロジェクトの価値です。プロジェクトを単純に1、2、3と順位付けられるなら、それで構いません。ただし、プロジェクトを適切にランク付けするなら、プロジェクトの価値をより詳しく、より深く議論する必要があります。論点をはっきりさせることで、事業価値を明確にし、各プロジェクトの相対的な価値を視覚的に示すことができます。

ポイントを使ったランキングでは、より価値の高いプロジェクトにより多くのポイントを与えます。ポイントは、ビジネスバリューに対応します。

優先度によるランキング

限られたリソースでは、すべてのプロセスを同時に改善することができないため、優先順位が最も高いプロジェクトを見極めることが重要です。

財務指標によるランキング– NPV、ROI、KPI

NPV(正味現在価値)は、キャッシュ流入量の現在価値とキャッシュ流出量の現在価値の差です.

NPVは、資本予算で投資やプロジェクトの利益分析に使用されます。

計算式は、キャッシュフローt / (1+割引率) t です。

  • キャッシュフローt は、利得 - 年t の総コストです。

  • t は、プロジェクトの開始日となる年を0とする0から6までの年数を表わす数値です。

  • 割引率:このフィールドは、プロジェクト属性です。

ROI(投資利益率)とは、対投資効果の評価や複数の投資の効果比較に使用するパフォーマンス計測指標です。

計算式は、ROI = 利得 - 総コスト x 100 です。

キーパフォーマンス指標(KPI)とは、特定のフィールドをもとに計算したパフォーマンスの指標です。

注記

NPV、ROIなどの財務指標をベースにしたランキングは避けてください。財務指標だけを使うと、プロジェクトの真の価値(タイムトゥマーケットによるアドバンテージや株主価値の上昇など)が過小評価されます。NPVでは、プロジェクトのリスクが高いために割引率を高く設定すると、長期のプロジェクトほど割引率が高くなるので、ポートフォリオにはペイオフ期間の短い短期間のプロジェクトしか残りません。