スケジュールの追跡

進捗管理のタイプ

スケジュールを管理するには、プロジェクトマネージャは作業の進行状況をマスタースケジュールと比較し、プロジェクトが予定通りに完了するよう必要に応じて変更を加える必要があります。

スケジュールのパフォーマンスを追跡するには、実行予定の作業に対して実際に実行された作業およびそのために消費したリソースを計測することが必要です。プロジェクトの進捗を定期的にレポートすることで、プロジェクト管理チームはプロジェクトの予定と実際を比較し、必要な修正と決定を下すことができます。スケジュールの正確な計測には、プロジェクトの初期段階で計測単位と進捗追跡のプロセスを計画しておく必要があります。

プロジェクトの完了率を決定するには、期間、工数、コストなどのどれを計測するかを決めておかなければなりません。

スケジュール追跡

スケジュールは、プロジェクトのロードマップです。定期的にプロジェクトステータス会議を行い、すべてのレビューを評価し、予定通りにマイルストンに達したか、あるいは実際の開始日と計画した開始日などを比較します。

工数の追跡

工数実績の追跡は、タスクの完了部分の実際の工数と残りの部分に予定されている工数を明確にします。

出来高(EV)追跡

出来高は、指定日までに終了した作業に承認された予算部分です。BCWP (Budgeted Cost of Work Performed)とも呼ばれます。

注記

もっとも重要なのは、適用する追跡タイプではなく、入力される値の正確性だということを忘れないでください。

現在日の定義

ガントチャートの準備と表示に使用するメソッドに関係なく、進捗を計測することは、すべてのタスク(あるいはタスクの一部)の完了部分が日付カーソルの左にあるかどうかをチェックすることに他なりません。このチェックで、実行が遅れているすべてのタスクが明確になります。ガントバーは進捗を表すのに使用できます。このため、ガントチャート上の参照日に縦の線として表示される日付カーソルが追加されます。

As_of_date.png

Sciformaではこの参照日を現在日と呼びます。

基準にする日は「今日」でなくても構いません。計算の基準を来週の月曜や明後日とするのが便利な場合もあるでしょう。ただし、基準日を数日後にすることは滅多にありません。それまでに変更が発生する可能性が高いからです。

警告

現在日は、タスクがその日まで完了していることを示す完了日とは異なります。

スケジュール追跡

スケジュールの監視は、プロジェクトタスクの進捗をスケジュールベースラインと比較し、プロジェクトがスケジュール通りに実行されているか、遅れが生じていないかを判断するプロジェクトマネジメント業務です。ベースラインからのずれを記録することで、それを修正したり予防する対策を計画し、ベースラインと進捗の不一致を管理することができます。スケジュールを監視して進捗を管理することで、プロジェクトの完成がずれ込むリスクを減少させることができます。

クリティカルパス法を使って工程を計画した場合、クリティカルパス上のタスクとクリティカルパスに近いタスクのずれ込みに注意します。これらのタスクにずれが生じると、プロジェクトの完了に影響がでますので、より綿密に監視する必要があります。タスクのスケジュールパフォーマンスは、開始日と終了日あるいは完了している割合で示すことができます。

プロジェクトのスケジュールパフォーマンスを各タスクのステータスで表す場合、次のデータを使って分析を行います。

  • プロジェクト内の各タスクの開始日と終了日

  • (契約成立、材料到着、環境テスト完了などの)マイルストン達成日

注記

タスクの進捗を完了率で示す場合は、一般的にこういった率を明確に表す方法がないことに注意してください。

Sciformaで時間追跡に使用する用語の定義は、次の通りです。

Schedule_Tracking.png

フィールド

定義

実開始日

実開始日とは、タスクを実際に開始した日です。実開始日が入力されると、タスク期間の開始はその日に固定され、他のスケジュール制約によってタスクが移動されることはなくなります。

タスクの完了率が初めて入力された際に、Sciformaは自動的に実開始日を更新します。したがって完了率(または完了期間)が0以外の場合、実開始日は変更できません。

実終了日

実終了日とは、タスクを実際に終了した日です。実終了日が入力されるまでは、タスク期間を変更することができます。

実終了日が入力されると、完了日が自動的に更新され、完了率が自動的に100%になります。これは、タスクが完了したことを意味します。

完了期間

完了期間は、タスクの中で完了した作業時間の合計値です。

残期間

残期間とは、タスクの完了までに必要な残りの作業時間の合計です。

完了日

完了日は、そのタスクが進捗あるいは完了した最後の日です。

期間

期間 = 完了期間 + 残期間

注記

この式は、タスクに割り当てられたリソースが一人の場合にだけ有効です。

完了率

完了率% = (完了期間 / (完了期間 + 残期間) x 100

遅延

タスクの開始日が何らかの理由で延期された場合、その遅延はスケジュール上に反映されます。例えば、タスクに必要な技術を持った作業者が病気になり、それに代わる人がいない場合、その作業者が治るまでタスクを遅延させなければならないかもしれません。

Delay.png

実績が入力されたら、プロジェクトを分析し、必要に応じて計画を再調整することが重要です。

現在日より左側のすべてのタスクは、次のいずれかのステータスになっている必要があります。

  • タスクは完了(ガントバーは緑) Completed_task.png

  • タスクの一部は完了しているが、特に情報がない限り、残りの部分は現在日以降の計画 Remaining.png

  • タスクは開始しておらず、特に情報がない限り、残りの部分は現在日以降の計画 Delayed_task.png