規模の大小や業界を問わず、どんなプロジェクトも一定の制約の中で実行し、完了する必要があります。プロジェクト管理では、コストは効果的にコントロールする必要がある制約条件の一つです。コストは、プロジェクトの将来を左右する原動力あるいは阻害要因となります。そのため、プロジェクトの実行性を確保するには、徹底したコスト見積もりのプロセスとテクニックを適用する必要があることがわかります。
プロジェクトコストを予測することは、次の理由から重要です。
プロジェクトマネージャと関係者がコストと収益の予測から、プロジェクトを実行する意味があるかを判断する。
プロジェクトマネージャと関係者が、プロジェクトの実行に必要な資金を確保できるかを判断する。
プロジェクトの実行に十分な資金があることを確認するためのガイドラインとなる。
プロジェクトコストには、直接コストと間接コストの両方が含まれます。
プロジェクトの直接コストは次のコストです。
チームメンバーの給与
特定の材料、資材、機器
旅費交通費
そのプロジェクトだけの下請け
間接コストは、次の2つに分類できます。
オーバーヘッドコスト:プロジェクトで使用する製品やサービスコストのうち、分割したり、直接関連付けることができないもの。例えば、オフィスレンタル、補給整備品、家具、備品、機器の費用などです。
一般管理費:企業を運営するための経費
Sciformaでは、次の機能を使ってコストを見積ることができます。
マクロ計画 – プロジェクトのスタート前にドラフトスケジュールから割り当てコストとトランザクションコストを計算します。
予測 – 財務ワークスペースでリソース、費目、トランザクションコストを見積もります。このオプションでは、コストセンターを使います。
プロジェクトに最適なコスト予測方法は、プロジェクトのスコープ、要求する精度、企業の週間によります。
コスト予測に関する詳しい説明は、予測をご覧ください。
プロジェクトやビジネスケースのマクロ計画段階では、プロジェクトマネージャはリソース割り当て(ソフトおよびハード)、費目割り当て、コストトランザクションを計画します。
リソースは、部門と職種によって定義されます。システム管理者がシステムデータワークスペースの部門タブと職種タブで各部門と各職種にコストレートを設定している場合、次の式を使ってソフト割り当てのコストを計算します。
割り当てコスト = 割り当て総工数 x 割り当てコストレート
例えば、稼働時間が8時間/日でコストレートが¥10,000/時の電気技師(職種)を5日間の電気工事のタスクにプロジェクトマネージャが割り当てたとします。この割り当ての総工数は40時間です。したがってコストは¥400,000になります。
プロジェクトマネージャは、管理ワークスペースのセットアップタブの財務の高度な属性()のソフト割り当てコストソースフィールドでソフト割り当てコストソース(部門あるいは職種)を設定する必要があります。
リソース割り当てコストに関する詳しい説明は、リソースのスケジューリングをご覧ください。
システム管理者は、リソースを登録する際に、企業データワークスペースのリソースタブでコストレートを設定することができます。プロジェクトマネージャがタスクに特定のリソースを割り当てると、Sciformaは次の式を使ってコストを計算します。
割り当てコスト = 割り当て総工数 x 割り当てコストレート
例えば、稼働時間が8時間/日でコストレートが¥10,000/時の山田太郎を5日間の電気工事のタスクにプロジェクトマネージャが割り当てたとします。この割り当ての総工数は40時間です。したがってコストは¥400,000になります。
リソース割り当てコストに関する詳しい説明は、リソースのスケジューリングをご覧ください。
システム管理者は、費目を登録する際に固定費とコストレートを設定することができます。プロジェクトマネージャがタスクに特定の費目を割り当てると、Sciformaは次の式を使ってコストを計算します。
割り当てコスト = (割り当て総ユニット数 x 割り当てコストレート) + 固定コスト
例えば、ユニットレートが8時間/日、コストレートが¥10,000/時、固定コストが¥20,000のサーバーを5日間のユニットテストのタスクにプロジェクトマネージャが割り当てたとします。この割り当てのコストは、(40 x 10,000) + 20,000 = ¥420,000になります。
費目割り当てコストに関する詳しい説明は、費目をご覧ください。
トランザクションは、プロジェクトに必要な資金およびプロジェクトからの収入を見積り、計画するために使用します。リソースや費目の利用計画とは異なり、トランザクションはリソースの実際のコストを表します。
例えばトランザクションは、オーバーヘッドコストや一般管理費といった間接コストの登録に利用できます。
詳しい説明は、コストトランザクションをご覧ください。
ビジネスマネジメントを考える際、企業内の多くのプロジェクトが相互に関連していることに気づきます。相互関係にあるプロジェクトは、目的が共通しているだけでなく、予算などの財務面でも共通している場合があります。
Sciformaでは、プロジェクト予算は契約(階層コネクションのみ)で管理することもできます。
契約とは、期間、予算、成果物に関してソースオブジェクトのマネージャと、それにコネクトされたオブジェクト(ターゲットオブジェクト)の担当者が合意する条件です。
ソースオブジェクトの予算の一部をサブプロジェクトとワークパッケージに委譲することもできます。委譲予算には、ソースオブジェクトレベルに定義されたコストセンターだけを利用できます。
契約に関連するプロジェクト予算は、次のように計算されます。
総予算 = 直接予算 + 間接予算 - 委譲予算
説明:
直接予算 – コストセンターの期間配分予算の合計
間接予算 – 他のプログラム/製品との契約で受け取る期間配分予算の合計(各項目は予算を提供するプログラム/製品で定義)
委譲予算 – 契約を介して他のプロジェクトに提供する期間配分予算の合計(各項目はコストセンターあるいは他のプロジェクトに提供する予算を持つプログラム/製品で定義)
プロジェクトの総コストは、次のように調整されます。
調整後総コスト = 総コスト + インバウンドコスト - アウトバウンドコスト
説明:
総コスト – 期間配分されたリソースコスト、費目コスト、トランザクションコストの合計
インバウンドコスト – コストを再配分したプロジェクトからの期間配分コストの合計(各項目はコストを配分するプロジェクトで定義)
アウトバウンドコスト – 他のプロジェクトに配分する期間配分コストの合計(各項目はプログラム/製品とコストセンターに関連付けられていないコストに適用される配分率で定義)