フェーズ&ゲートは、プロジェクト管理の中でも最も知られている手法です。企業は、競争の激しい既存市場で規則に従って投資あるいは現状を維持しています。
フェーズ&ゲートではまず市場機会を識別し、そこから販売できる製品を作ろうとします。この手法の主な焦点は、パフォーマンスの高い製品を提供することです。製品は次の基準で評価されます。
マーケットシェア
販売成長力
顧客の使い方
目標利益
これらの要件を満足させる製品は、次のパフォーマンス目標を実現します。
ユニークな競争力
強力な財務パフォーマンス
フェーズ&ゲート手法は、既存製品の新バージョンを作成するのにも利用できます。顧客のニーズは時とともに変化します。改良されない製品では、顧客が離れてしまいます。こういった顧客のし好の変化は、グローバル化された市場では特に目立ちます。
フェーズ&ゲートの複雑さ/長さは、その長所であり、欠点でもあります。この手法は、最終的に時間とリソースを節約できるよう考えられています。プロセスのすべてのステップで定期的にテストを行うことで、製品がターゲットとなる客層のニーズに確実に答えることができるようにします。
フェーズ&ゲートは企業の市場競争力を高めることに重点を置いているため、機能的な製品をできるだけ早く市場に出すことを優先する、"市場に出すまでの時間"を最適化しようという企業が利用しています。プロジェクト管理用語ではこれは、コストではなく時間/工数を最適化することに重点を置くことを意味します。とはいえ、フェーズ&ゲートは適応性が高いので、最適な品質/コスト関係に重点を置くようにすることもできます。
フェーズ&ゲートは、6つのフェーズに分割され、フェーズごとに順序付けられたアクティビティーリストがあります。製品開発戦略によって、いくつかのステップは統合されたり、省略されたりします。
フェーズ&ゲートは、一連のアクティビティーを順番にこなしていくことではありません。開発戦略はフェーズを通して行われ、フェーズごとに新しいアクティビティーが組み込まれ、タスクの分散方式が再構築されます。フェーズの終わりにはゲートと呼ばれるディシジョンポイントがあり、これを通過しないと次のフェーズを開始できません。
フェーズ&ゲートは、製品マネージャがプロジェクトを監督するため、他のプロジェクト管理手法とは少し異なっています。製品マネージャは、プロジェクトマネージャを部下として任命します。予算が小さい場合、両マネージャの役割は重なる場合があります。
製品マネージャはフェーズを立ち上げ、製品開発の全体的な主動者となります。
プロジェクトマネージャはフェーズ&ゲートのコンセプトレベルを担当します。技術部門を管理し、アシスタントを指名します。
プロジェクトマネージャの影響力は、プロジェクトの開始から市場テストのフェーズを通じて、大きくなっていきます。戦略を立て、予算を確保して、進捗を評価します。次のようなインテグレーションモードがあります。
従来の機能的組織:あらかじめ採用したルールとプロセスにのっとって製品マネージャがプロジェクトを管理します。
軽量製品マネージャ:製品マネージャの製品開発に関するパワーを抑えたものです。製品マネージャの主な役割は、設定された期限が守られ、すべてがスケジュール通りにきちんと行われるよう努めることです。
重量製品マネージャ:製品マネージャは製品開発プロセスの責任者となりますが、製品のマーケティングには関与しません。
プロジェクト実行/チーム組織: 製品マネージャの役割の一部を機能マネージャが請け負います。製品マネージャの役割の一部を機能マネージャが請け負います。場合によっては、製品開発をすべて機能マネージャに任せます。
製品デベロッパーは、よりグローバルな製品を作る努力をします。
グローバルに受け入れられる戦略を先取りする。
製品の大部分を標準化し、将来になって変更が必要な部分を最小化する。
製品に国際標準を適用(必要に応じて再設計)する
世界規模での競合製品の動向を評価する。
次のグローバル製品のワークフローを管理する。
フェーズ&ゲート手法は、カスタマイズが可能です。企業や開発内容によって、フェーズとゲートの数と種類は変わります。
プロジェクトの正確な性質をプロセスの初期段階で決定しておく必要があります。選択したプロジェクトのタイプによって、いくつかのフェーズを省略することもできます。新製品開発のタイプをご紹介します。
世界初製品 – 市場にとっても(商品化されていない)、企業にとっても(制作したことがない)、真に革新的なプロジェクトです。NDPのすべてのステップが必要です。
新製品ライン – 既存の市場に参入するための製品開発です.
既存製品ラインの追加 – ラインアップを広げるための新しいバリエーション(重さ、色、機能など)です.
リポジショニング – 新しい市場区分に適応させた製品です.
既存製品の改良、改正
コスト削減
プロジェクトは正式にはスタートしておらず、情報とアイデアを収集している状況です。
このフェーズの責任は、次のメンバーで構成される製品チームが担います。
新製品の開発を担当する製品マネージャ:製品の主要な特徴を定義し、場合によっては製品開発をキャンセルします。また、協力者を任命できます。
プロジェクトのデータベースに知識と意見を供給する協力者:このグループは通常、多様なリソースで構成されます:
従業員とコンサルタント
ディストリビューターとサプライヤー
マーケットリサーチレポート、新聞など
アイデアフェーズの目的は次の通りです。
製品の定義と考案 - 製品マネージャはプロジェクトの分類(世界初製品、新製品ラインなど)を決定します。プロジェクトの分類は途中で変更されることもあります。このような場合、製品マネージャはプロジェクトをクローズし、レビューすることをお奨めします。再評価することで、新しいプロジェクトを最適な分類に構築することができます。
ドキュメントとリサーチの収集 - 製品マネージャは、任命した協力者チームにドキュメンテーションをプロジェクトアーカイブに入れるよう依頼します。協力者はプロジェクトに関する追加情報を要求します。一般的に、マーケット、技術、財務関連の評価資料が含まれます。
アイデアの創出 - プロジェクトマネージャは個人にコンタクトし、共有プラットフォームを通してアイデアを提供するよう呼びかけます。製品マネージャはフォーカスグループを計画し、独創的なアイデアを募ることもできます。またフォーカスグループをアシストする協力者も任命します。ブレインストーム、チームビルディング、マルチマッピングなど、様々な手法を使います。このブレインストーム後は、協力者が共有プラットフォームを使ってアイデアの比較と評価を行います。
製品マネージャは、プロジェクトがフェーズとゲートのどちらにあるかの状況を管理します。将来のフェーズとゲートの開始と終了予測はガントチャートに入力できますが、プロジェクトはゲートを通過するたびに次のフェーズへと進むため、予測はその都度、変更されていきます。
製品マネージャは、次の決定を行います。
アイデアフェーズの終了時期
次のゲートに進むための条件
このためには、製品マネージャはそのフェーズの成果物を定義する必要があります。他のフェーズとゲートの成果物も計画できますが、プロジェクトのフェーズが進むにつれ、成果物も発展していきます。
成果物としては、次のようなものが考えられます。
様々な分野からのアイデア
関連資料のレビュー
識別された市場のニーズと競合テクノロジー
アイデアフェーズの間、製品マネージャは新製品開発プロジェクトの立案者としてプロジェクトに使われた期間、コスト、工数を追跡し、次のような基準をもとにフェーズを終了するタイミングを決定します。
特定のデッドラインを過ぎた時(期間)
フェーズの予算がなくなった時(コスト)
予定した作業がすべて終了した時(工数)など
製品マネージャがフェーズを“完了”したと宣言すると、プロジェクトはゲート1に進みます。
出されたアイデアをふるいにかけ、実行可能なアイデアに絞り込む必要があります。
ゲート1には、あらかじめいくつかの基準が設けられています。これらの基準は製品マネージャではなく、プロジェクト外のチームであるゲートキーパーが設定したものです。ゲートキーパーチームは通常シニア製品マネージャで構成されますが、社内の管理者や社外の専門家も参加することがあります。
製品マネージャは管理者としてゲートを管理し、各成果物のプレゼンテーションを監督します。
コストのかかりすぎるアイデアや実現できないアイデアを回避するため、協力者チームには他の分野の人材も含めるべきです。
協力者とゲートキーパーは、次のような基準に従ってそれぞれのアイデアを判断し、評価します。
市場/顧客戦略一致度、競合優位性
技術的実現可能性とリスク、クリティカルな成功要因
法規制準拠
ふるい分けのプロセスを生き残るアイデアは数件だけです。競争、法律、テクノロジーの変化などが評価者の投票に影響を与えます。
ゲートキーパーは投票結果を確認し、それぞれのアイデアがどう評価されたかを調べます。この時点でプロジェクトのステータスは次のいずれかになります。
計画済み - このステータスは通常、ゲート分析が進行中であることを示します。プロジェクトは実現可能だが市場にニーズがない場合、ゲートキーパーは計画済みプロジェクトとして保留しておくことができます。プロジェクトは休止しますが、市場のニーズが高まればいつでも再開できる状況です。
訂正 - アイデアフェーズが完全に終了しておらず、現状では実現可能なプロジェクトだとみなされません。ただし、プロジェクトのポテンシャルや優先順位は高いと考えられるので、再検討と追加の評価のためアイデアフェーズに戻されます。
承認済み - プロジェクトは実現可能とみなされ、市場分析と顧客分析も良好です。
クローズ - ゲートキーパーは実現可能性が低いプロジェクトをクローズすることもできます。プロジェクトは廃案となります。
ゲートキーパーがアイデアとリサーチの量に満足した段階で初めて、製品マネージャはプロジェクトの定義と次のフェーズの概案を提案することができます。
目標、主なマイルストン
スケジュール、高位レベルのWBS
リソース要件
ゲートキーパーがこの計画を了承すると、ゲート1は承認済みとなりプロジェクトは次のフェーズへと進みます。
プロジェクトの正式なスタートです。ゲート1で展開されたアイデアをビジネスの観点から見直し、提案します。
この新製品開発プロジェクトを作り上げた製品マネージャは、製品マネージャを続けるかどうかを決めます。この段階で協力者の一員が製品マネージャになることは珍しくありません。製品マネージャは、スコープ検討フェーズを監視し、プロジェクトの責任者となります。
スコープ検討フェーズの目的は、次の通りです。
プロジェクトのコンセプトの構築 - 製品アイデアから発展させた現在のコンセプトを消費者に意味のある形に表現し直し、消費者が簡単に正確に製品を視覚化できるようにする必要があります。これには、次の2つの作業が必要です。
コンセプトのテスト - 製品マネージャはターゲット層の消費者グループを集め、数種類の製品コンセプト紹介を行い、どれが最も良いかを選んでもらいます。
共同分析 - 製品マネージャは同じ消費者グループに別製品のコンセプトを紹介し、そのリアクションをコンセプトのテストと同様に評価します。
製品のマーケットギャップの識別 - マーケットギャップにより、特定のタイプの製品を使用していない顧客の数が示されます。マーケットギャップのサイズと到達可能性に従い、製品マネージャはプロジェクトのスコープを決定します。
マーケティング戦略概要の立案 - コンセプトが決定したら、製品マネージャは3部構成のマーケティング計画を上層部に提案します。これには、次のことが必要です。
ターゲットとするマーケットのサイズ、構造、動向の決定 (販売規模、マーケットシェア、利益目標)
初年度予算に見合った価格と流通戦略の計画
数年間にわたる販売と利益の推移とマーケット戦略の関係
スコープ検討フェーズの代表的な成果物は次の通りです。
製品モックアップ、技術評価、管理評価
予測コスト分析、フォーカスグループレポート
法規制環境の評価、製品と特許の法的定義
ここでは、残された実現可能なアイデアをメリットという観点から比較し、具体的で現実的な製品の実現方法を定義します。
ゲート2にもゲートキーパーがあらかじめ設定した複数の基準が設けられています。製品マネージャは管理者としてゲートを管理し、各成果物のプレゼンテーションを監督します。この段階で協力者チームを拡大し、上級管理者を加えてリソースと生産に関する企業の制限を伝えるようにします。
ゲート1では面白そうで実現可能なアイデアを残すことを目指しましたが、ゲート2ではどれが現実的で期待できるアイデアかを見分けます。ゲートキーパーは、製品を実現する最も良い方法を決定しなければなりません。アイデアは、次のような基準に従って評価されます。
企業戦略との一致度、企業への影響と重要性
技術的実現可能性
営業成功確率
これらの評価を元に、ゲートキーパーは製品の最低必要条件と基本必要条件を定義しますが、このフェーズでは最低必要条件を定義し、ゲート3で基本必要条件を定義します。
ゲートキーパーは投票結果を確認し、それぞれのアイデアがどう評価されたかを調べます。この時点でプロジェクトのステータスは、訂正、計画済み、承認、クローズのいずれかとなります。
ゲートキーパーがこの計画を了承すると、ゲート2は承認済みとなりプロジェクトは次のフェーズへと進みます。製品マネージャは、WBS(識別されたリソース)で次のフェーズを、汎用リソースでその後のフェーズを計画します。
ビジネスケースでは、プロジェクトの長所と短所を他の新製品開発案件と比較します。
製品マネージャはプロジェクトの全責任者であり、協力者を任命するところは変わりません。
企業のマーケティング部門は、市場分析の結果ら営業収入とマーケティングコストを予測します。次にオペレーティングコストと利益分析を見直す必要があります。
ビジネスケースでは、次のような活動を行います。
必要なデータの収集、テクノロジー分析、モデリングと実験の実施
市場のサイズと地理のリサーチと潜在的な成長の評価
開発フェーズに備えた研究開発計画の準備
ビジネスケースフェーズの代表的な成果物は次の通りです。
技術的実現可能性を評価するための実験作業の結果
商品化評価の結果
開発フェーズのスケジュール
どんな企業でも開発できる新製品の数は限られています。このゲートでは、プロジェクトを企業全体の製品ポートフォリオの観点から分析します。
このゲートの責任構造は、ゲート2と同じです。
ここでは多くの疑問に答える必要があります。最も重要な疑問の1つは、製品が売れるかどうかです。製品が企業目標に合致しているか、法的な問題はないか、実現するためのテクノロジーがあるかも決定しなければなりません。
ポートフォリオも評価システムとはっきりとした優先順位を使って分析する必要があります。
ゲートキーパーは投票結果を確認し、それぞれのアイデアがどう評価されたかを調べます。この時点でプロジェクトのステータスは、訂正、計画済み、承認、クローズのいずれかとなります。
ゲートキーパーがこの計画を了承すると、ゲート3は承認済みとなりプロジェクトは次のフェーズへと進みます。製品マネージャは、WBS(識別されたリソース)で次のフェーズを、汎用リソースでその後のフェーズを計画します。
プロジェクトの最も具体的な部分です。 割り当てられたリソースを使って、研究開発を開始します。
製品を実際に作成する段階になったので、数多くの作業がスタートします。責任も分担する必要があります。
製品マネージャは引き続き、プロジェクトを遠くから監視し、上層部からの質問に回答します。前フェーズでやり残した作業を完了する必要がある場合、協力者は製品マネージャにそれを伝えます。製品マネージャは登録ユーザーを選び、プロジェクトマネージャに任命します。
プロジェクトマネージャは技術レベルの開発を担当し、開発に関する作業スケジュールを計画し、リソースを割り当てます。このため、開発フェーズでの大部分の作業はプロジェクトマネージャからの許可が必要となります。
いくつかのヴァリエーションが考えられます。製品マネージャは、このフェーズの次のフェーズでプロジェクトマネージャが果たすべき責任の数と、クリアすべき目標の数を自由に定めることができます。
プロジェクトマネージャは多くの作業を調整する必要があります。製品のコンセプトを実現させるため、次のような作業が行われます。
多数のプロトタイプの作成と比較
技術仕様と情報要件の精査
フィールドテストを目指したプロトタイプデザインのスケールアップに関する課題の識別
開発フェーズの代表的な成果物は次の通りです。
フィールドテストの結果とパフォーマンスの検証
検証済みのコンピューターモデル、データベース、テクニカルレポート
修正された完了までのコスト予測
このゲートでは主に、製品コンセプトと比較したプロジェクトの実現可能性を確認します。
このゲートの責任構造は、ゲート2と同様です。
ゲートキーパーは、次のような疑問に答える必要があります。
プロトタイプは仕様通りに希望する技術とパフォーマンスを満たしているか
テクノロジーのフィールドテストを行うプロジェクトパートナーは選択されているか
販売パートナーはビジネスプランを持っているか。販売パートナー候補は見つかっているか。
ゲートキーパーは投票結果を確認し、それぞれのアイデアがどう評価されたかを調べます。この時点でプロジェクトのステータスは、訂正、計画済み、承認、クローズのいずれかとなります。
ゲートキーパーがこの計画を了承すると、ゲート4は承認済みとなりプロジェクトは次のフェーズへと進みます。製品マネージャは、WBS(識別されたリソース)で次のフェーズを、汎用リソースでその後のフェーズを計画します。
このフェーズでは主に製品の市場性を確認します。
このフェーズで何かを変更する必要はありませんが、通常はプロジェクトマネージャの影響と許容度が上がります。プロジェクトマネージャは、新製品開発のコンセプションの変遷に関する知識によって企業の品質管理により関わることになります。製品マネージャは遠くからテストフェーズを監視します。
プロジェクトマネージャは多くの作業を調整する必要があります。テストと確認のため、次のような作業が行われます。
テストを実施できる現場の選択とフィールドテストのデモンストレーションユニットの構築
プロトタイプ開発とフィールドテストの新しい仕様の作成
製品パフォーマンスに関するエンドユーザーからのフィードバックの取得
テストフェーズの代表的な成果物は次の通りです。
フィールドテストの結果とパフォーマンスの検証
最終テクノロジー仕様(プロセスフローダイアグラム、計装ダイアグラム、機器仕様など)
商品化計画あるいは情報拡散計画
このゲートでは、開発フェーズで実際に作成された製品が製品の当初の定義に一致しているかを確認します。
このゲートの責任構造は、ゲート2と同様です。
ゲート5では、製品の原案と現在の製品にギャップがないことを確認します。
ゲートキーパーは、次のような疑問に答える必要があります。
スケールアップしたテクノロジーのパフォーマンスはきちんと検証されたか
フィールドテストの結果を受けてプロジェクトコストは見直されたか
すべての法規制準拠とコンプライアンスの課題は解決されているか
ゲートキーパーは投票結果を確認し、それぞれのアイデアがどう評価されたかを調べます。この時点でプロジェクトのステータスは、訂正、計画済み、承認、クローズのいずれかとなります。
ゲートキーパーがこの計画を了承すると、ゲート5は承認済みとなりプロジェクトは次のフェーズへと進みます。製品マネージャは、WBS(識別されたリソース)で次のフェーズを、汎用リソースでその後のフェーズを計画します。
このフェーズでは主に、製品の商品化と市場への供給を検討します。
このフェーズで何かを変更する必要はありませんが、通常はプロジェクトマネージャの影響と許容度が上がります。プロジェクトマネージャは、新製品開発のコンセプションの変遷に関する知識によって企業の品質管理により関わることになります。製品マネージャは遠くからローンチフェーズを監視します。
プロジェクトマネージャは多くの作業を調整する必要があります。販売業者と顧客のニーズと希望を満足できるよう、次のような作業が行われます。
エンジニアリングデザインのリリース
品質と製造性のドキュメント作成
エンジニアリングとテクニカルのサポート体制の確立
ローンチフェーズの代表的な成果物は次の通りです。
テクニカルサポート概要
顧客とのミーティングと顧客満足度調査のレポート
利益予測と資金レポート
プロジェクトの営業的な成否に関係なく、レビューを書く必要があります。これは、別の製品を開発する製品マネージャの大きな手助けとなります。
ゲートキーパーは、プロジェクト完了を評価する基準をいくつか定義することができますが、通常は製品マネージャがローンチ後レビューを書きます。プロジェクトマネージャは開発プロセスに関する考察を提供します。新規顧客を協力者に加えることもできます。
このレビューでは、プロジェクトの履歴を別のプロジェクトの成否や効率と比較します。製品マネージャは良い経験、悪い経験を判別し、その評価は今後の新製品開発プロジェクトへの教訓となります。製品マネージャのレビューは製品データベースに保存され、アクセス権を持つ登録ユーザーはこれを閲覧できます。また、別の製品マネージャがアイデアやプロジェクトをより良く管理する役に立ちます。
ゲートキーパーは、次のような疑問に答える必要があります。
コスト/販売目標とROIは想定された条件を満たしたか
副産物でカバーできる新しいニーズやマーケットはあるか
顧客が最終的に得る利点は自分達の予測通りか
ゲートキーパーは投票結果を確認し、それぞれのアイデアがどう評価されたかを調べます。この時点でプロジェクトのステータスは、訂正、計画済み、承認、クローズのいずれかとなります。
製品の商品化が計画した結果と矛盾する場合、ゲートキーパーはプロジェクトをクローズすることもできます。製品の生産は停止します。
ゲートキーパーが成果物に満足した場合、製品マネージャは(プロジェクトマネージャの助けを受け)プロジェクトから得た一連の教訓を定義します。この教訓は、企業や市場全体が新たな手法を構築する手助けとなります。
ゲートキーパーが製品マネージャのレビューを了承すると、ゲート6は承認済みとなり、プロジェクトをクローズすることができるようになります。