教訓

その性質上、どのプロジェクトも唯一のものです。たとえ状況や顧客が同じだったとしても、その時々で変わるプロジェクト目標や不確実性によって決定されるプロジェクト環境は決して同じとなることはなく、同じプロジェクトは2つとないことになります。結果として、以前の経験から学び、プロジェクトのライフサイクルにわたって得た教訓を今後のプロジェクトに活かすことが重要となります。

将来のプロジェクト計画をより効率的なものとするためには、特定の技術の使用、ツールが時代遅れであることの発見やスキル不足によるチームメンバーの交代などから得た教訓を記録し、分析し、報告する必要があります。例えば、あるイベントで使用したケータリング会社のサービスが信頼性の低いものだった場合、それを記録して今後のイベントではその会社を使わず、別の会社を探すのが懸命です。

PMIでは、教訓をプロジェクトの実行プロセスから得た知識と定義しています。

教訓には、次のことが必要です。

  • 実務に実際のあるいは想定される重要なインパクトがあること

  • 事実上、技術的に正しく有効であること

  • 失敗の可能性を減少あるいは消滅させるか、肯定的な結果を強化するような特定の設計、プロセスあるいは決定を実行できること

通常、教訓はプロジェクトをクローズする際に整理します。記憶力の良い人でも、人間の記憶は長くは保てません。したがって関連するアクションの実行時に教訓を記録することが望まれます。

教訓の記憶と共有方法はいろいろありますが、重要なのは次の機会にそれを利用することです。

注記

Sciformaでは、次のレベルで教訓を管理します。

  • プロジェクトレベル

  • ポートフォリオフォルダーレベル

  • ワークパッケージレベル