リソース配置

リソースの配置とは、プロジェクトを遂行するために必要なチームメンバー、その他のリソースを確保するプロセスです。

リソース配置の鍵となるのが、プロジェクト計画です。計画は、製品の提供を実現するため、あるいはプロジェクトの管理を実行するために、どのようなリソースが必要になるかの詳細な説明です。プロジェクト計画は、プロジェクトに必要なリソースの合理的な見通しを提供するだけでなく、リソースがいつ、どのくらいの期間必要なのかというスケジュールも提供しなければなりません。

リソース配置プロセスは、必要に応じてプロジェクト全体のいくつかのステージで繰り返されます。プロジェクトの初期段階では、ハイレベルなリソースが要求されますが、計画が洗練されるにつれ、さらに詳細な情報が追加されて、より正確なリソースの要求につながります。

リソースの配置が完了したら、プロジェクトの適切なタスクに割り当てる必要があります。

リソース配置プロセス

リソース計画のプロセスについて

プロジェクトマネージャは、リソースマネージャからリソースの配置をできるだけ早く受けたいと考える傾向があります。実際、リソースが配置されることでプロジェクトの計画を立てることができるからです。一方、リソース配置は本当に信頼できるものでなければならず、リソースマネージャは複数の困難に対応する必要があります。

  • 複数のプロジェクトマネージャが、同じリソースマネージャに対して、異なるタイミングで繰り返し要求を送ります。

  • 昨日の計画は、新たな要求が入ってくることで役に立たなくなる可能性があります。

  • チームメンバーは、プロジェクト以外の責任を負わされることも多く、プロジェクトの生産性にも影響が出ます。

リソース配置プロセスを成功させるには、適切な計画サイクルが必要です。このサイクルの長さと期間は、プロジェクトのライフスパンに合わせて定義されます。

したがって、リソース配置プロセスは、複雑すぎても細かすぎてもいけません。

リソース配置フロー

リソース配置フローは、リソースの獲得とプロジェクトチームメンバーのプロジェクト固有キャパシティの決定に関する、プロジェクトマネージャ(PM)とリソースマネージャ(RM)の関係を表します。

Resource_Allocation_Flow.png

リソース配置のさまざまな方法をサポートするため、Sciformaのデフォルト構成では、配置の作成方法によって異なる2種類のタイプを提供しています。

  • 直接配置は、リソースマネージャが要求とリンクせずに作成する配置のことです。このタイプの配置を使用する場合、リソースごと、プロジェクトごとに、1つの配置のみが可能です。

  • 要求にリンクした配置では、プロジェクトマネージャはプロジェクトごとに(プロジェクトレベルあるいはタスクレベルで)複数の要求を作成し、リソースマネージャはそれに対するリソース(ハード配置またはソフト配置)を配置します。

設定

グローバル設定の配置タイプを有効化で、どのタイプの配置を使用するかを管理します。さらに、プロジェクト設定オプションの配置タイプ(直接配置のみ、要求にリンクされた配置、デフォルトの両方から指定できるピックリスト)は、配置タイプ両方に設定されている場合にのみ利用できます。

重要

以下の様々な状況において、プロジェクトマネージャが組織のリソースマネージャを兼ねている場合のショートカットが提供されています。つまり、自分が管理しているリソースに対しては、プロジェクトマネージャは自分の見解のみで割り当てを作成することができます。

直接配置

直接配置は、プロジェクトマネージャとリソースマネージャが週に一度のミーティングでリソースの必要性を議論している企業や、プロジェクトマネージャがリソースマネージャを兼任している場合に使用します。このような状況では、配置は合意として機能します。

ユースケース#1 - 要求なし、配置のみ

このケースでは、リソースマネージャは要求を受けずに直接リソースを配置します。

No_Request_Allocation_Only.png

リソースごと、プロジェクトごとに、1つの配置のみが可能です。

この方法をできるだけ簡単に行うには、プロジェクトマネージャとリソースマネージャが注記を使ってコミュニケーションを取るか、Sciforma外で連絡し合う必要があります。ワークフローや検証はサポートされません。

ユースケース#2 - 個別の要求と配置

プロジェクトマネージャは、長期的なニーズに対応する配置要求を作成することができます。これらの要求は「予測」であり、プロジェクトコストの見積もりをサポートします。

Requests_and_Allocations_separately.png

ユースケース#1と同様に、リソースマネージャは、要求とはリンクしない配置を作成することができます。これらの配置は、プロジェクトマネージャが自分のプロジェクトに使用できるリソースのキャパシティをリソースマネージャが検証した結果となります。

2つのオブジェクトは切り離され、プロジェクトマネージャが出した要求は、配置の作成には使用されません。

No_Request_Allocation_Only.png

要求にリンクした配置

この状況は、リソース配置のライフサイクル全体を考慮した、プロジェクトマネージャとリソースマネージャ間の正式な「契約」となります。

つまり、プロジェクトマネージャが要求を作成し、リソースマネージャはそれを確認して対応します。

Allocations_linked_to_a_request.png

このプロセスは、プロジェクトマネージャが配置を承認または拒否したり、プロジェクト計画が変更された場合に要求を再開することができるようなワークフローによって制御されます。

ワークフロー

(有効な場合)配置要求には、上書き可能な次のようなデフォルトワークフローが用意されています。

Workflow.png

このワークフローは、プロジェクトマネージャとリソースマネージャ間のコミュニケーションを構築するためのものです。プロジェクトマネージャが要求を作成し、リソースマネージャがそれを確認、回答し、最終的にプロジェクトマネージャが承認します。

このワークフローでは、要求の最終ステータスに達することが要求の終了に当ります。

最終ステータスの"承認済み"に達すると、次の処理が行われます。

  • プロジェクトに対するリソースの配置工数がプロジェクトのリソースの使用可能工数に追加されます。

  • プロジェクトチームに参加していないリソースは、プロジェクトチームに追加されます。

注記

配置要求が最終ステータスに達するまで、配置工数は使用可能工数には追加されません。

権限

プロジェクトマネージャとリソースマネージャが、自分が管理するオブジェクト(要求または配置)を編集できるのは、要求のステータスが自分側のアクション待ちとなっている場合に限られます。

  • プロジェクトマネージャが要求を編集できるのは、要求がプロジェクトマネージャのアクション待ちになっている場合だけです。プロジェクトマネージャがリソースマネージャを兼任している場合を除き、プロジェクトマネージャは配置を編集することはできません。

  • リソースマネージャが配置を編集できるのは、配置がリソースマネージャのアクション待ちになっている場合だけです。ワークフローステータス、フラグフィールド、注記の変更を除き、リソースマネージャは要求を編集することはできません。

  • 訂正と取り消しステータスは、プロジェクトマネージャとリソースマネージャが要求を編集可能な状態に戻すことを可能にします。

考えられるバリエーション

より厳密に、要求の取り消しができないワークフローを使用したい場合や、プロジェクトマネージャによる最終承認を省略して「より速い」ワークフロー(つまり、リソースマネージャが配置を提出した時点で、要求を承認されたとみなす)を使用したい場合もあるでしょう。

なお、最終ステータスがリソースマネージャ側となる場合、リソースマネージャにはプロジェクトへの書き込み権限が必要になります。